Mirage

Tunnel-6

非常識から常識へ。
暗い世界。ある方向だけが、明るい。それがトンネルの出口だということに気付くまで、冬真はしばらくの時を要した。
隣にいた若狭陽次も同じだろう。まず、何をすべきかさえ忘れていた。
「点呼でもとるか。よし、君塚冬真、朝里煌貴、んで、浅川柚葉?」
三人でも、五人でもなく、四人。行きも帰りも、人数だけは同じだった。
「日数は経ってるみたいですね。まぁ、ケータイの電池が切れちゃってるんでわかんないですけど」
「とりあえず、帰ろう。アサリを病院に担ぎ込んで、冬真の家に行って」
柚葉は、どうするのだろう。鏡の世界と違って、情報化社会に不審人物が一人紛れ込んでも、生きる術は無い。徹底された個人情報管理の前に、どうするのだろうか。

それでも、僕らは歩き出した。
胸に四人だけの秘密を得て、新鮮な気持ちでトンネルの先を抜けていく――――

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