Mirage

Divina Commedia /prologue

少女はいつもひとりぼっち。
笑顔を忘れて涙を枯らした。
誰よりも気高く、誰よりも尊いその背中を、君塚冬真は見続けていた。
きっと、光輝という言葉は少女がためにある様に。

光輝な少女は高貴で、興起を知る術など無かった。

イリヤ。
どうして、キミはココにいるんだろうね、彩。
どうして、キミはココにいないんだろう、彩。
知りたい。君の全てを、僕は知りたかった。
発端、動機、興起、あるいは変異、そして発展。矢上彩を形成し、夜神色としたその全てを。
きっと、背徳という言葉は僕のためにある様に。

遠くで声がした。
逃げ隠れた時間稼ぎも限界だろう。
羽のように軽い少女の体を背負い、路地裏を逃げる。愛の逃避行。バカ言ってる場合か、自分。
それにしても。
笑いながらマシンガンを容赦なくぶっ放す外国人の友人や、半ば本気で怒ってるのではないだろうかと心配させる我が師匠、それに暗殺者プラス吸血鬼。あんたら、絶対殺そうとしてるだろ。

降旗。
24時間生ききった自分のしぶとさに笑いながら、鬼の形相となっている師匠に少女を渡した。
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