7 Excelsior
-Divina Commedia- (2003,Winter)
街は師走の喧騒に覆われて、一足も二足も遅い、雪が降った。
白い翳りに世界は包まれて、重たげな足を外に向ける自分がいた。
しゃく、と踏みしめる新雪。気温はさほど低くないのか、陽光に煌く結晶は次第に水へと変わるだろう。
地面は心地よい音色を奏でながら、じわりと靴を濡らしていく。
通い慣れた道。足跡を残しながら、いつか通い詰めた、親友の家のチャイムを鳴らした。
驚いた顔で出迎える両親。それに、笑顔で対応して訪ねるべき相手の居場所を口にする。
天使が、「おかえり」を聞けるよう。